「ねぇ結穂。恋愛相談ってなぁに?」
放課後、彩はとても楽しそうにそう言った。
「あのね、彩……」
言葉を選んでいる余裕なんてあたしには無くて、
それならいっそ、疑問を全部ぶつけてしまおうと考えた。
「彩さ、竜樹と浮気してるでしょ?」
「え?なんのこと?」
「とぼけないで。あたし、もう知ってるんだから」
わざと知らないフリをする彩に腹が立った。
「え?ほんとに知らないよ?」
「あのね、彩。あたしさ、竜樹とは別れたの」
「え!いつ⁉︎」
「あのさ、もういいよ?気ぃ遣ってくれなくて」
「…………はぁ………」
やっと本性を現す……そう思った時。
「結穂、私を信用してくれてないの?」
「は?」
「小学校からずっと一緒だった私と、今年知り合って付き合って別れた男。
どっちを信じるのよ?」
彩があまりにも泣きそうな顔で言うもんだから、ちょっと揺らいだあたしの決心。
でも、あの人の言葉を思い出すことで思い留まることができた。