ーーー……
数日後。
あたしは一向に別れを告げようとしない竜樹に腹が立ち、竜樹を試してみることにした。
「もしもし……竜樹？」
電話をかけて、あえて弱々しい声で竜樹の名前を呼ぶ。
『…どうしたの？なんかあった？』
明らかに心配してくれているような声に少し心が痛んだけど、
浮気のことを思い出すとその痛みはすぐに消えた。
「えっと…竜樹は…………あたしのこと好き？」
『え？どうしたの急に』
少し口調が変わった。
「いいから、あたしのこと…好き？」
『…………好き、だよ？』
ちょっと恥じらうようにそう言った竜樹。
前なら喜んでいたところだけど……。
「本当に？」
『うん。でもどうした？』
「なんでもない。ただちょっと寂しくなっただけだよ」
あたしはそう言って、電話を切った。
……言う気は、竜樹にはないんだね。
なら、こっちから言ってやろうじゃないの。
