そんな事を考えながら、数日が経った。
今日も彩とも竜樹とも帰れない。
そしてたまたま委員会の仕事が入り、いつもより帰りが遅くなっていた。
そんな時。
委員会が終わって下駄箱の近くまで来たら、ありえない光景を見てしまった。
「………え?……な、んで?」
あたしの目には、手を繋ぎ、仲の良さそうなカップルの姿が映っていた。
でも。
その組み合わせは信じ難いものだった。
笑顔で何かを話している彩と、それを聞きながらあたしの大好きな微笑みを彼女に向ける竜樹。
「ハ………ハハハ」
なんだ。
結局はそんなもんだったのか。
あたしの目から、何かがこぼれた。
なんだ、あたしは泣いてるのか。
浮気されてた事に、傷ついてるんだ。
そんな自分が、惨めだった。
彩、あなたを親友だと思ってた。
でも、内心は、嬉しそうに竜樹の話をしていたあたしを、バカにしてたんだ。
そして、竜樹。
あたしはあなたを愛していた。
でも……あなたがあたしにくれた愛は、偽物だったんだね。