そして自分の下駄箱の前まで来た時、あたしはあるものに気づいた。


……あたしの靴の上に、紙が乗ってる。


恐る恐る紙を手に取る。


「何何〜?」

彩も便乗してきた。

「なんか、紙が…」

「早く見て!」

そして彩に急かされて、綺麗に折りたたまれた紙を開く。


そこには、綺麗な整った字で、こう書かれていた。


《柏木結穂さんへ

これを見てくれてありがとう。
よかったら、明日の放課後、技術室に来てください。
話したいことがあります。

野口竜樹》


「え……!」

「マジで⁉︎結穂、告白だよ、きっと!行きなよ!絶対!」

彩が興奮してる。

いや、あなた宛の手紙じゃないって。

しかもそうと決まった訳じゃないし。

そして表面だけは冷静に、紙を鞄にしまった。


ひと息ついてから、靴を履いて外に出る。


「ねぇ、彩。あたし、明日帰り遅れるけど、待っててね?」

「うん、もちろん!待ってるから、ゆーっくり行ってきな!」



あたしはその日、あまり眠れなかった。