咲の優しい字で丁寧に書かれていた
「咲、咲気づかないでごめん
誕生日の事、体が弱ってること、病気のこと」
俺は何にも知らないんだ
「咲、目を開けて、愛してるよ」
「いくらでも言ってやるよ愛してるよってだから目を開けて、もう一度始めよう 」
俺はただ泣きながら小さな手を握り愛してるよとしか言ってやれなかった
俺は初めて後悔した
愛してるよなんて今までいくらでも言ってやれた
愛してるよって言えたら、咲はこんなにも傷つかなかった
俺よりも弱い咲が誰より強かったんだ
「咲、愛してる今までで1番愛してるよ」
俺は涙を微笑みながら流した
その涙は咲の穂を通り首を通った
最後のわがままを俺は聞いてあげれるだろうか
あの時突き放した小さな手を精一杯握りしめて
あの時初めて呼び捨てで呼んだこの口
初めて言った行かないでの声
俺は全て愛してるよ
もう一度会えるなら生まれ変わっても
咲と恋をしたい