戻ってきた蒼斗の両手には、缶ジュースと林檎飴がひとつ、握られていた。

「ほら」

「えっ?」

蒼斗は林檎飴を私に差し出した。

「お前、これ好きだったろう?」
顔を見合わせずに、彼は言った。

「うん……。覚えててくれたの?」

「忘れるわけねぇだろ。幼なじみなんだから」
そっぽを向いて答えた。

「……ありがとう」

彼の手から林檎飴を受け取る。

その際、彼の手と私の手が触れ合い、心臓がトクンッと高鳴ったのを感じた。

蒼斗は缶ジュースを開け、口を付けた。

もらった林檎飴をひと舐めする。

甘い。
久しぶりに味わう林檎飴の甘さ。
でも、この甘さは林檎飴だけではないだろう。