「つー事は、『英語』がヒント?」

「シルクハットもレモンパイもパイレーツも、英語やけど……」

ヒントが英語なのは確実のはず。

問題は、英語をどうやってこの暗号に結びつけるのか。

「もしかして、『鍵』とか『アクビ』の方を英語にするんじゃないかしら?」

おずおずと響香さんが手を挙げて発言した。

「アクビって、英語があるでありますか?」

「ええ。私学生時代に海外留学してたから知ってるわ。アクビはyawn(ヨーン)っていうの」

「よん?」

「ううん、もっと伸ばす感じで、yawnよ。はい、Once again(もう一回)♪」

「いやいやいやいや響香さん!娘が行方不明なのに英会話教室開いてる場合じゃないでしょ!アヤくんも乗らないの!!」

あー、ツッコミ不在って恐ろしい。

時音がいないのにあたしが時音になったみたいだ。

「話を戻して良い?要は英語じゃない所を英語にするって事で良いんだよね?」

「鍵はロック、アクビはヨーン、言うたら……あ!」

綺鳴がスマホのメモに文字を打ち出した。