新たな情報を頭の中のメモ帳に書き留める。

……ん?ロングヘアで女の子っていうと……

「お、おい待てよ、長髪で細いって……来栖かもしれねーぞ?!」

あたしが一瞬思いついた事を珀成が代弁した。

「ほんまや!あ、けど、今記憶あらへんから本人に確認とるんは難しいやろなぁ……」

まぁそうなんだけどね。でも違う。

「それは無いよ。タイムはその時応援団の助っ人やっててグラウンドに出てたから。あたしは放送係やりながら見てたから、覚えてる」

「あれ、タイムちゃん応援団やったん?うちもそん時赤組応援やってたんやけど」

「そなの?タイムとあたしは白組だったんだよ~」

これで綺鳴も除外される。

まぁ綺鳴は元々ギリギリ肩につくハネっ毛で長髪じゃないから、去年も同じ髪型にしてたなら問題ないんだけど。

「スズくんは去年の運動会何してた?」

「え、俺?俺今回の事件に関係ねーだろ……けど確か、次の競技に向けて客席近くでスタンバってたと思う。渡辺も一緒だった」

じゃ、玉木くんがいた所と真反対なんだ。

なかなか情報が集まらないものだ。

というかそこら辺の人に聞いて見つかるなら、相談部には来ないよね。

「他には?何か無かった?ちゅーした時に何かあったとか」

「ちゅ、ちゅーって……えっと、そ、そう言えば、あの時……少し甘い味がしたであります」

「甘い味?どういう甘さなん?飴みたいな?」

飴食い競争の飴だと思ったのか、綺鳴が聞いた。