あたし達も調査を進めていく。

「来賓席もあったから、外部の大人って可能性もあるかもな」

「いや、そもそも女の子とは限らないかもよ?もしかしたら石内(いしうち)先生だったりして……」

「うぇっ、気色わりぃ事言うなよ!あんなオッサンが初キス相手とか、俺だったら色んな意味で死ぬわ!」

珀成がオーバーに二の腕を擦る。

石内先生が可哀想になってきた。

それにしても、この数時間で結構冊子を広げてきた。もうテーブルに置くところがないくらい見終わった冊子が積まれてる。

こんなに資料があるのに見つからないって、もうないんじゃないかとも思えてくる。

「真輝、もう少し写真無いの?」

少し苛立ちながら真輝に聞いてしまった。

「えー?これくらいしか無いよ?てゆーか、おれっちは去年いなかったんだから知らないって。先輩が持ったまま卒業してたらアウトだよ」

それもそうだ。

もっと写真以外にも目を向けないと……

今の相談部の部長は、副部長であるあたしが代理を務める事になるんだから、頑張らなきゃ。

写真を一枚一枚見ていくと、ふと隣の玉木くんが視界に入った。

かなり真剣な顔。眉間にシワがよってる。

あたしはそれをほぐそうと声をかけた。

「そう言えば、玉木くん。その子の顔とか覚えてないの?」

「顔、でありますか?」

まぁ、騎馬が崩れた時じゃ顔見てる余裕なんて無いだろうけど。写真ばっか見てもしょうがないし、一応確認。

「むむー、あまりハッキリとは覚えてないであります。あ、でも肩に手が当たった時細かったし、長い髪にも触れたので、女性なのは間違いないのですが」

「じゃ、ショートヘアの女の子や男子は対象外になるね」