「お母さんのこと、信じられないんだよ!私はその先生の言葉は素直に信じることができた。でも、お母さんには裏切られるんじゃないかっていつも不安だった」
ごめんなさいと泣くお母さんを見ていて、泣きそうになったけど手に力を込めて、続けた。
「もっと、私を見て!親子なんだから、嫌いになるわけない!!」
先生の言う通り、傷付くのが怖くて自分で自分を傷付けていた。
お母さんから愛されていないんだと思うことで、バリアをはって、傷を浅くしようとしていた。
「お母さんだって同じよ!嫌いなわけない!」
うわぁあん、と子供のように泣きじゃくるお母さんを、私はそっと抱きしめた。
いつの間にか、体の大きさは同じくらいになっていた。
あんなに大きいと思っていたお母さんなのに。
背中についた妖怪は、優秀だ。
私に、強さと優しさをくれた。