今日も黒いジャージ。
千里がかっこいいと言っていた赤いラインのジャージだった。

「ヤンキー先生、バイク見てニヤニヤしてましたね」

「へへ。俺の自慢のバイクだからな」

と鼻先を触る先生がかわいすぎた。


「探してたんだよ。この前、2限目、ちゃんと出てたな」

腕組みをした先生は、にっこりと微笑み、また私の頭に手を乗せようとした。

さっと交わし、嬉しさを隠すようにぶっきらぼうに言う。

「見に来たの?」

「おう、こっそり教室覗きに行ったら、あくびしてた」


わざわざ私を探しに教室まで見に来てくれるなんて誠実すぎる。

ド真面目すぎるんだよ。

他にもいっぱい面倒みなきゃいけない生徒いるんだろうに。


「俺の授業中の見廻り場所が増えた。焼却炉の横にお前がいるんじゃないかなって気になるからいつも見廻ってるんだから」

「もうサボらないから安心して」

と言った後に、言い直す。


「寂しくなったら、また行くから絶対見廻り来てください」


照れ臭くて下を向いた瞬間に、やられた。


また。

頭ポンポン。