手当てには山崎さん1人で当たっていて、その順番待ちのようだ。


「左之助さん、遅いではないですか。
遥さんを呼んでくるように言ってから何分経ったと思ってるんですか?」


隊士に包帯を巻きながら、こちらを振り返る山崎さん。


「遥ちゃんを中々見つけられなくてさ…!
悪い。遅くなっちまって…!」


平謝りする原田さんを、山崎さんが無言のまま睨んでいた。


ひぇえ…。


怒鳴っているわけでもないのに、言葉や表情の端々から伝わる威圧感。


や、山崎さんって怖い人なのかな…?


「…そんなに怯えなくて大丈夫だ」


ビクビクと震える私に気づいて、原田さんがこそっと耳打ちしてくる。


「あの人…言い方は怖いけど、誰よりも隊士の健康を気遣ってくれてるんだ」


そう言ってクスリと微笑んだ。


原田さん…。