───土方さんとの稽古の日以来。
隊士達との距離がすごく縮まった気がする。
屯所内で会えば挨拶してくれるし、今みたいに稽古を志願してくる人もいる。
師匠って呼ばれるのは予想外だったけど…。
それでも…。
腕を引く隊士の嬉しそうな横顔を見て、
私にも少しはできることがあるんじゃないかって、嬉しい気持ちもあるんだ。
砂利道を歩いて、もう少しで稽古場という所で…
「遥ちゃん!」
名前を呼ばれて振り返った。
「原田さん…!」
「探したよ…!
屯所の中にいないと思ったら…こんなところにいたんだ」
急いで走ってきたのか、息を切らし気味の原田さん。
「どうしたんですか…?」
「実は…巡察に出ていた隊が浪士と斬り合いになっちゃってさ」
「え…!?」
斬り合い…?
「怪我人が出てるんだ。遥ちゃんも手当てにあたってくれないか?」
「もちろんです…っ」