「えっと…」


ぎこちない沈黙に言葉を詰まらせていると…


「稽古であの迫力とは…一の剣の腕前はやはりすごいですね」


沖田さんが感心したように微笑みながら、近づいてくる。


「総司…おまえが言うと嫌みにしか聞こえないぞ」


斎藤さんは少しムスッとしたように答えていた。


そっか…沖田さんは……


未来で "沖田総司" と聞けば"天才剣士" と皆が口を揃える。


その剣才ゆえに重要任務を任されることが多かった彼は

新選組のなかでも一、二を争うほどの人を斬ったとか。


隣でニコニコ笑ってる沖田さんからは、とても想像しがたい話だけど…。


剣の腕が立つと言われた遥空を圧倒した剣技。


そして時折見せる冷酷な瞳。


この時代に来て…彼の強さは本物なんだと実感させられたんだ…。


「そんなところにいましたか」


入口の方から聞こえた声に全員が振り返った。