そのまま三人で並んで…長い廊下を歩いてく。


「そういえば、総司とはるはどこに行くんだ?」


頭の後ろに手を組みながら、平助くんが尋ねてくる。


「稽古場ですよ。
遥さんを山崎さんに紹介するようにと、土方さんに言われてるんです」


前を歩く沖田さんが答えた。


山崎さんって…昨日土方さんが話していた人のことだ。


確か医療班の偉い人だっけ…?


「奇遇だな!俺も朝稽古に向かうとこだったんだ!一緒に行こうぜ!」


平助くんの提案により、三人で稽古場へ向かうことになった。


玄関で草履に履き替えて、二人の後に続く…。


数十メートルほどの砂利道を抜けた先…道場のような小さな建物にたどり着いた。


「ここが稽古場ですよ」


沖田さんが説明してくれて、私は入り口からそっと中を覗く。


立派な道場…っ。


木の床の大広間。上座には大きく書かれた「誠」の字が掲げられていて。

大きく開けられた扉から朝日が差し込んでいる。


その光が照らす先…

一人の男の人が竹刀を構える姿があった。