ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえる。


襖の隙間から差し込む光が眩しくて…


「ん…もう朝…」


重たい瞼をこすり目を開ける。


辺りを見回すと、障子や押入れがあるだけの狭い和室で。


ゆっくりと視線を落とすと…


昨日…沖田さんが

「今の恰好じゃ目立ちますから、これに着替えてください」

と女中さんから借りてきてくれた着物。


そして首に下がっている赤い紐の先

着物の襟に隠れた石…"桜華石"


手に取ると、桜華石は相変わらず淡い桜色の輝きを放っている。


「私…ほんとにタイムスリップしちゃったんだな…」


石を見つめ、ポツリと呟いたとき。


コンコンと襖をノックする音が聞こえた。


「遥さん、起きてますか?」


沖田さんだ…!