「今回参謀として新選組に入ることになった、伊藤甲子太郎さんだ」


「初めまして、伊藤です」


伊藤さんが頭を下げる間にも、隊士の間にはどよめきが起こっていた。


「参謀って…副長と同じくらい偉いんじゃないか?」


「あぁ。この人はいったい何者なんだ?」


隊士達が話題にしてるのは伊藤さんの″参謀″という地位。


こんな破格の待遇で迎えられるなんて、この人はいったい何者なんだろう。


そんな話題でもちきりだった。


がやがやと騒がしい隊士達を土方さんが睨む。


「まだ話し中だ、静かにしろ」


一言で部屋はシン…と静まり返った。


さすが鬼の副長……。


「近藤さん」


土方さんが目くばせすると、近藤さんは咳払いする。


「ゴホン…では話を続けよう。
立ち話もなんだから伊藤さんも座ってください」