着物越しに体温が伝わってくる。


薄着なのに沖田さんのほうが熱い。


首にかかる息がくすぐったくて、なんだかとろけてしまいそう……。


「総司、遥!」


「……っ」


建物の曲がり角から声がして、パッと沖田さんから離れる。


「いいところだったんですけどね……」


沖田さんが残念そうに呟いたと同時に、永倉さんが走ってきた。


「2人ともここにいたんだな!
招集だ!今すぐ広間に集まれ!」


「何かあったんですか?」


沖田さんが尋ねる。


「あぁ。新選組に入隊する人がいる。
平助の師匠……らしいんだけど、その待遇がすごくてよ」


「……っ!」


平助くんの師匠って言葉でピンときた。