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「たすけて……?」



そっとその小さな文字を撫でてみる。


手に少し金属がついただけで、字は何も変わらない。




「……なんだこれ」



オレはだれもいないのに呟いた。


声はだれもいない公園のどこかに消えていく。



ひとりぼっちの中に、唯一感じた"人間"、それがこの文字だった。




オレはほんの好奇心のつもりで石を手にとって、滑り台に字を書こうとする。


だけどなかなかとがった石が見つからなくて、滑り台に書くことができない。



しばらく探したけれど、やっぱりなくて、オレはため息をついて砂に書いた。


風で消されてしまわないように、強く。




『きみはだれ?』




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