突然まみが振ってきてうろたえた美沙希は
「何よ、急に。
何もないわよ。あれ以来会ってないし。」

「春真君て二組の小出君?」
亜里紗が驚いて聞いた。

「そう。以前ね、
同じ高校行かないかって告られたんだって。」
まみが大袈裟に言う。

「告られてないって。」

そう、あれ以来話せていない。
すれ違っても何も言ってこないし。
だから私も無視だし。
だからゼロがまたゼロに戻っただけ。
…でもあれ以来私の中の何処かに春真君がいる。
温かいものとなって残っている。…