「嫌よ。
それに人に聞く前に
自分の受験校を言うべきでしょ。」

「僕は、二校あって迷ってるんだよね。
両方とも共学なんだ。
及川も一緒に受けない?
頑張れる相手がいると
勉強する気出るって言うだろう。」

「それが何で私なの?
前島君や宮本君と頑張れば?
仲いいんでしょ?」

それだけ言って美沙希は
ひとり歩を早めて学校に向かった。

春真は勇気を出して
やっと言えた言葉をいとも簡単に流されて、
その場に立ち尽くしていた。