「ありがとう。
ママがいつも側に居てくれたから
どんな時も心強かった。」
一緒に喜びをかみしめた。

「名前を決めないとね。」
祖母は赤ちゃんと対面する時に
名前で呼びたいと思った。

「さっき産まれたばかりなのに。」
母親は痛みでそれどころではなかったが
嬉しそうな祖母の顔を
曇らせたくなかったので続けた
「ママと一緒に考えた候補の中から選ぶでしょ?」

「分娩室の外で待っている時に浮かんだんだけどね、
お前がまさえだろ、
お前よりひとつ上の幸せな人生を送れる様に、
まきえってのがいいと思うんだよ。どう?」

「どうしてひとつ上の幸せがまきえなの?」