今更後悔したって

どうにもならない…



こーしとけばよかった
あーしとけばよかった

そうすれば紗綾は…





俺と紗綾は高校で出会った

1年の時同じクラスだった
そして三学期の最後らへんで付き合った



ねぇ一緒に帰ろ?

あ、わりぃ
俺友達と遊ぶ約束しちゃったから無理だわ


俺は紗綾と付き合えたのはいいんだがだんだん疲れてきた

だから適当に嘘をついて紗綾と距離を置いた


…分かった


紗綾はさみしそうな顔をしながら階段の方へ歩いて行った


はぁ、紗綾と一緒にいるとなんか疲れるんだよな


なんで疲れるんだ
俺は紗綾に飽きてきてるのか?

もぉわけわかんねぇ





夜になっても紗綾から連絡が無い


あいつ何してんだ?
寝てるのかなぁ


いつもなら
「今帰ってきたよ!」って連絡が来るはず

胸騒ぎがする






次の日の朝
まだ紗綾から連絡が無い


なんで連絡が無いんだよ

いきなり携帯が鳴った

知らない電話番号

はい

あ、紗綾の母です
ちょっといいかしら?

はい、いいですよ
どうしたんですか?

紗綾がね…
事故にあったのよ



…え?
嘘だろ


俺は急いで病院に向かった

だけどもぉ遅かった

紗綾はここにはいなかった


紗綾は学校から変える時に事故にあったらしい

あの時俺と一緒に帰っていれば…

紗綾は…
紗綾は死なずに…

今更後悔したって遅い

俺は紗綾に何もしてあげられなかった

好き
愛してる

全然言ってやれなかった

抱きしめたりキスしたり



紗綾は
大好き
愛してるよ

ってずっと言ってくれてたのに

俺は言ってやれなかった

愛してあげられなかった


俺は初めて声を上げて泣いた

悲しみの涙と後悔の涙




すると紗綾のお母さんが手帳を渡してきた


これ紗綾の日記なの


俺は黙って開いた
そこには

今日たくみが好きって言ってくれた!
もぉめっちゃ嬉しかった♡


今日たくみとデート♡
初めてのデートだ!


たくみが好きすぎてやばい


たくみと一緒にいれて幸せ
これ以上の幸せはないよ
私はたくみしか愛せない、
たくみしか愛さない


などがびっしり書いてあった


涙が止まらない




紗綾がいなくなった夜


俺は泣きつかれたのかすぐに寝てしまった


ある夢を見た

そこには紗綾が居た


紗綾!
俺は夢中で叫んだ


紗綾は黙っていた

紗綾!
ごめんな。あの時一緒に帰らなくて


紗綾はそっとたくみのことを抱きしめた

たくみは悪くないよ。
私がちゃんと周りを見なかったから事故にあったの。
ごめんね。たくみを1人にしちゃって。私も死にたくなかった。もっとたくみと一緒に居たかった。私ねたくみと付き合えてよかったよ。すごく幸せだった。ありがと

俺は紗綾に何もしてあげられなかった。ほんとにごめん

紗綾はそっと立ち上がり首を振った

紗綾の姿はだんだん薄くなっていった

紗綾!
俺は…

たくみ今までありがとう。
私がいなくてもたくみはたくみらしくね?
私はずっとたくみの側にいるから



紗綾ー!

目を開けると周りは明るかった


俺は俺らしく…か

そーだよな。
紗綾の言う通りだ


俺が泣いてたって紗綾が悲しむだけだ

だから俺は紗綾の分も生きる

だから紗綾
見守っていてくれ


END