「あ!道間違えた!
こっち中学だ!
あっちだった!ごめーん和咲〜」
てへっと舌を出して逆の方向に歩きだす。
そう、さっきの方向はこの間まで通ってた中学校の方面。
慣れで行っちゃったんだろうけど、流石に入学式の日だよ?
あとちょっとで女子高生だー!って春休み中も騒いでた子が間違えるかねー。
「あ、すこーし近道するからね!」
鈴々は後ろを向いて私にそういうとまた歩き出す。
まぁ、今度はちゃんと高校方面に言ったからよしとしようか。
ーーと思ったんだけど。
ちょっとした路地に入ったら急におどおどしだした。
『…どしたの?』
「…ここから行き方わかんない!」
はぁー。やっぱりね。
近道するとかいうから。
『はいはい、だと思った。
行くよ?ちゃんと道覚えてね?』
「え、うん!でも和咲ここら辺の道わかるの?」
『分からなかったら普通、戻ろうって提案しますー』
「確かにそうだね笑
では!覚えるので連れてってください!」
『はーい。じゃ行くよー。』
ここら辺の道知っててよかった。
少しだけ来たことがあったからなんとなくだけどわかってたんだよね。
知らなかったら大通りまで戻らないと行けないからな。
ちなみにここは路地中の路地といったところで、大通りに続く横道も少し戻らないとないの。
鈴々も自分がわかる道を行くようにさせないとね。