…わたしなだめてたっていうかあやしてたよね??

結構必死だったんだよわたし。

確率とか数字とか数学に出てくる言葉を使えばいつも分かってくれるってこと知ってるから良かったんだけど。

数学の中でも計算が大の苦手な鈴々にとっては"計算してみろ!"って言葉以上に嫌な言葉はないんだろうしね。

「…ぅ……うん。
じゃあ朝は絶対一緒ね!
絶対だよ!約束ね!」

『うん。約束!』

鈴々の弱点の数学作戦はわたしが思っていた以上に効果があったみたい。

…数学効果よりわたしの勢いの方が効果強かったかな?

まぁ、とりあえず成功した。

それでやっと納得?してくれた鈴々がゆびきりだー!って言い出したもんだから、わたしと鈴々は指切りげんまんという、また子供っぽいことをしてから別れてそれぞれの教室へ向かった。

そういえばだけど正門にたまってた人達はクラスの名簿が貼ってある掲示板を探している新入生と、普通に登校してきた先輩たちがいつの間にか同じ場所に停滞しちゃっただけだったらしい。

先輩達らしき人たちの、新入生多っ!とかの声がすごい聞こえてきたから多分そのはず。

クラスは昇降口の下駄箱の前に掲示されてあった。

だから先輩も巻き込まれてたみたい。

校門を通らなくて正解だった。

クラスが見れるまでずっとあの中に挟まってるのは辛すぎるからね。

鈴々にひそかに感謝するわたしなのでした。