「えへへー行こいこー!」

『っっ!』

急ににこにこしながら手を繋いできた。

しかも勢いが凄い。

今、わたし結構びっくりしたよ?

「あ、ごめん。怒ってる?」

すごい上目遣い。さっきと同じ顔してるよ…。

これやられたら怒れないよ。

もともと驚いただけで怒ってはないけどね。

『怒ってないよ。早く行こ。』

「うん!!」

笑顔になってうなずく鈴々。

あ、嬉しそう。

わたしは鈴々の手をきゅっと軽く握って歩き出した。

すると鈴々もぎゅっと私より強く握り返してくれた。

わたしは鈴々に甘いのかもしれないね。

鈴々を一人にするとあぶなっかしくてほっとけないし。

でも、わたしが鈴々にかなわないことと甘いこと、ちょっと悔しかったりする。

でもこれはどうにもできないな。

鈴々がかわいいのがわるい。

鈴々が馬鹿であぶなっかしいのが悪い。

ほっとけなくなるようなことすんのが悪い。

はー。とりあえずは学校行こうかな。

入学式から遅れたら困るもんね。