9月下旬の秋晴れの日。
市の総合グラウンド。
今日は、陸上競技会。

僕らこれから、陸上の花形とも言える"100m×4"の決勝に出場する。
僕はアンカーだ。

仲間3人と受付を済ませると、程よい緊張感が僕を包む。

「予選のように走れば大丈夫だ!
バトンミスだけ気をつけろよ」

監督の言葉に、仲間と共に頷く。

ライバルチームも、受付を済ませて隣に並ぶ。

『負けるもんか!』

1人静かに闘志を燃やした。

僕は、アンカーの位置でバトンを待つ。

応援席では、君がみんなと一緒にポンポンを振っていた。
僕と目が合うと、微笑みながら「ガンバッテ」と口元が動く。



『位置について、

よーい…』

パンッ!

ピストルの音が響き、第一走者がスタートした。