「あなたと見れてよかった。

 生きていた時全ての幸せより、今が幸せ」


さらに溢れ出てくる涙で霞む彼女の存在を、再び光柱が包み込む。

すると待っていたか様に、光りに透ける翼は再び現れる。


彼女だけに降り注いでいる一本の光柱を辿れば、光以外は何も見えない雲の空洞がある。

その空洞は動くことなく彼女の真上に有り続ける。



彼女が昇るのを待っているかの様に──・・・


そして彼女は、僕を待っているかの様に──・・・




「忘れるとしても、思い出せなくても、

 今、君が好きだ」


僕が進めるんだ。

僕の為に──・・・君の為に──・・・