(「明日、現れる」) 彼女はいつも不思議だった。 絶対に窓は開けない。 声に出して言葉をださない。 なのに、彼女が口を動かせば言葉がわかる。 いつでも必ずいつもの部屋のいつもの場所にいる。 なにもかもが不思議だった。 でも一番不思議だったのは、何故かなんでも話せてしまう彼女の雰囲気、いや、存在だった。