「雨だなー」
あなたは半透明の空色の傘から覗き込む様に上を見上げる。
今のあなたには空が見えていて、晴れた空から空色の雨が降っているのだろうか。
そして、空が見えるあなたの瞳は、空色なのだろうか。
もしそうならとても綺麗だろうな。
そう思うだけで窓に口元が緩んだ自分の顔が写る。
「お、また微笑んでるねー」
あたは今日もいつもの様に笑う。
そしてまた私もつられて笑う。
「ってか雨なんて久しぶりだよな?」
そう、雨はあの日以来降っていない。
でもね、もうすぐ──
私の瞳にも、あなたの瞳にも、同じ空が写るよ。
ほら、太陽と雨と空が見えるよ。