「今日も、会えてよかった」
目を逸らす事無く、突然、そう言った彼は、言い終わった後、少し考える様に頭を軽く下げながら、「んー。」と小さく唸りだした。
「なんだろ。ここに来ると、なんか・・落ち着く、んだよ」
自分の中で答えを見つけた様で、今度は「うん・・・うん」と、何度も頷いている。
(私も)
「ん?」
(不思議ね)
「うん」
いつもと変わらない距離で、いつもより長く視線を繋げている私と彼は、山間からの光で少しずつ明るくなってきている街を横に感じながら、二人して、微笑んだ。
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