「いると思った」 私に向かって軽く人差し指を差しながら、彼はそう言った。 (私?) 「うん」 私は頷きながら、こう言った。 (私は、いつでも、ここにいる。) そんな言葉の何が気に入ったのかは私には分からなかったけれど、彼は 「なんかいいね、その言葉」 と、照れくさそうに下を向きながら、そう言った。