「その子は男の子を助けるために向かってくるトラックの前に飛び込んだんだ。その男の子には擦り傷一つなかったらしい。

彼女が守ったんだ。飛ばされてる時も、落ちた時も」


「自分の住んでる町で、自分の友達の友達が・・・って思ったら怖くなった。
そんなの、ドラマとかニュースでしか知らなかったからさ」

あなたは夕焼けに染められ、どんな顔をしているのかは分からないけれど──・・

「それに俺だったら『あー死にたくねえな。』とか『助けなきゃよかった。』って後悔しながら死ぬんだろうなって思ったら、次は自分が怖くなった」


・・──あなたはあの時もそうやって、涙を空に隠して泣いていた。

(見えないけど、分かるよ)



「『よかった。ありがとう。』って言えるなんて、かっこいいよな」