私は彼から空へと見るものを変え、今度は彼に自分の横顔を見せながら言った。


(上がった・・・雨)


「え?・・・ほんとだ」

私の言葉に彼の視線を一瞬だけ自分に感じたが、直ぐに同じ方向を向いたのを感じ取った。




全てに付いている雨が太陽の光に反射して光り、所々は赤や黄色、青と色も付いて、街中に宝石が降った後の様。


キラキラと光るのは街だけではなく、川も、電線も、木木も、全てが輝き、その中には、髪の先端から宝石を落とす彼も居て。



私はまた、彼を見ながら顔を緩めた。






「なんか、ここに来てよかった」




突然届いた言葉は、彼からキラキラと光りながら落ちる雨と同じ様に輝く宝石となって届いた。