「俺彼女と帰るんだけど」
棗君の顔は明らか嫌そうな顔をしてて…
それなのに私は彼女って言われたことが嬉しくて…
「何を話すわけでもなく横にいて一緒に歩くくらいならいいですよねっ?」
そうやって東田さんはとびきりの笑顔を棗君に見せる。
けど棗君の表情はピクリともしない。
…な…棗君が不機嫌になっていく…。
「…しつこい。」
ボソッと棗君が呟く。
東田さんは、えっ?と棗君に聞き返した。
「俺しつこい女嫌いなの。」
それだけ東田さんに伝えると私の腕を引っ張ってその場から離れる。
「あ〜っ原谷先輩〜!」
後ろから東田さんの声が聞こえても棗君は全く反応せずにひたすら前へと進んだ。