「これね出来てなの。ナオに何回も怒られて作ったからすっっっごい綺麗にできたの!」
昼休憩が半分過ぎた時間に僕にも届けようとしてくれていたって事は、お昼ご飯を食べていないって事だったんだよね。
あんまりキミが嬉しそうに歌うから、そんな簡単な事にも気付けなかった。
「リンゴも生地も分厚さ疎らだけどね」
「いつもに比べたらマシだよっ」
「リンゴ、ちゃんと並んでないけどね」
「これでも何回も並べ直したのっ」
気付いていたらこの時の僕だって、今の僕が感じている様に、キミを愛しく思っていたのかな。
「でも、美味しそう」
この言葉の続きに、何かもうひとつ、キミに伝えていたのかな。