とたとたとた…

来た、とキミが僕の名前を呼ぶよりも前に呼ばれる準備をしていたのは、いつからだったのかな。

キミと出会ってからの時間は、その前の僕からすれば本当に早く過ぎていったから、気付いた時にはもう、僕はそうしていたんだ。

いつの間にか梅雨も明けきって、手の届く距離にまで夏が近づいてきていた。

4限目の体育の後のシャワーが、もう既に心地よかったのを覚えているよ。

「千尋くん見てー」

キミに名前を呼ばれてから振り返れば、その日は大きなお皿を持つ、というより抱えながらキミは駆け寄ってきたね。