「…」
「にい」
「…」
「終わりかあ!」
空ける僕と、いつもの笑顔になったキミに、痺れを切らしたコウタのツッコミが廊下に響いた。
「…あ、」
「うーん。日向先輩?千尋先輩?うーんうーんううーん」
そのツッコミに漸く空けから抜け出した僕の前では、キミが似合わない腕組み姿でどう呼ぼうか悩んでいた。
僕は悩むどころか考えもしていなかったのに、そんなに悩むことかなと自分の思考を棚に上げて、キミにそう言おうとした時。
「よしっきーめた!」
キミの目が僕の目を射って。
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