白旗を上げたばかりだったのに。懲りてないんだよね。
「うわっあの子コケたぞ!おーい大丈夫かー?」
コウタはこの時がキミとの初対面だったから、キミに駆け寄っていったけれど。
僕は、もうキミの日常茶飯事を毎日見ていたから、歩いて行ったんだ。
この時はどうして転んだんだろうね。やっぱり何もないのに転んだのかな。
「今振りです!」
キミを心配してくれているコウタを無視して。というより多分気づいていないキミは、僕に向かって弓をしならせた。
ただ、いつもと違って、少し目の周りが膨らんでいた。
その理由を見ていたから、その事に対しては言葉はかけなかったけれど。
いつもと違う笑顔に違和は感じていたんだ。
似合わないな。位のね。