あの日、あの雪の日、雪が色を洗い流してしまったあの日から。もう二度と。

目に映る外の世界はこんなにも鮮明で鮮やかなのに。キミとの思い出だけが、美しすぎる───────白黒なんだ。

そして、キミのいない鮮やかな世界よりキミのいた白黒の世界に身を委ねて夜を超える僕が続いている。

”千尋くんあのねっ”
”明日はきっと晴れるから”

あの雪の日までを回視し終えると、また世界は、再びはじまりの日に戻る。


僕とキミが出会った、入学式の日だ。