つまり僕は、逸らしていたのにも関わらず、キミの目に射られたんだ。

「…取り敢えず立ちなよ」

射貫かれて動かせない目のまま、何とかして状況を変えようと伸ばしていた手をもう少しだけ前に伸ばしたら。

「うへ?あ、えーああえ?う、へ」

キミは、突然挙動不審になった。

この時キミは、手を取るべきか否か。そんな事で困っていたんだ。

キミはいつも自分で立ち上がっていた。

だから、手を差し出されてどうすればいいのか分からなかったんだよね。

何も気にしないで取ればよかったんだよ。後に、僕がそう言ったら。

”突然だったんだもん”
”それに あのシチュエーションって”

キミは。

”お姫様みたいじゃない”

なんて、また、よく分からない事を言ったんだ。