額に砂をつけながら弓をしならせて笑うキミに、思わず目を逸らしてしまった。

「空は同じいいお天気ですけど私は昨日の私と今日の私は違うんですっ」
「…(変わらないと思うけど)」
「昨日より今日の方が好きですから」
「?どういう」

睡眠不足な頭では、キミの言ってることが理解できなかった。

きちんと覚醒した頭でもできないことは多かったけれど。

何が昨日より好きなのか。それとも昨日より今日という日が好きなのか。

「今日もあなたが好きってことですっ」
「え」

その瞬間、僕の視界にキミが飛び込んできた。

正確に言うと、僕の視界がキミの方へと向いたんだ。

「にい」
「…」

キミは、更に真っ直ぐさを強めて、目を逸らす僕の拒絶を跳ね返し、キミの前まで引き戻してしまったんだよね。