キミは言ったよね。

命の残りを数えるより、命に溜まった思い出を数えたいって。

相変わらず真っ直ぐ前を見るキミに、僕はこう返したんだ。

「そうやって前ばかり見てるから転ぶんだよ。たまには足元も見なよ」

でも、身体の内側では、何て言うんだろうな…うん、キミを見習って真っ直ぐになれば、素敵だなって思ったんだ。

僕はどちらかといえばカウントよりカウントダウン。積極より消極。肯定より否定だったから、キミのポジティブさにははじまりから惹かれていたんだけれど。

あの時が、僕が、恋を自覚した瞬間だったんだ。