10月1日11時32分。
佑真から電話をかけることにした。

いつもの様につまらない世間話をしていた…はずだった。
佑真の口角が上がり続けている。

笑顔がずっと続く。
それは紗綾も同じだった。

「さっきからずっと笑ってない?笑」
紗綾が佑真に問いかける。

「笑ってるかもね~。まぁ見られてないから恥ずかしくないし~笑」

佑真は少し恥ずかしがり屋な部分がある。だが時に大胆な行動に出ることもしばしば……。

「見たいなぁ~」
「あかん。」
「佑真君の笑顔見たい~。」
「あかんゆーてるやろ。あいつ以外……あ、ごめんな。なんか。」

しばし沈黙が場に訪れる。

「佑真君……___」