後ろから鋭いライトに照らされるその背中に、一つ熱い息を吸い込んだ。

「福嶋、」

思わず漏れてしまった声が、微かに空気を震わせる。

「でもさー!」
「他にもペアになりたい奴となれなかった奴だっていた筈だ」「うっうーん。」
「それにサプライズの手伝いを頼まれたのに軽々と誰かに言えねえだろ」
「そっそうだけどさ~う~ん。」

見事に彼女を鎮めていく福嶋の心地よい声に、また音を纏っただけの息が数度零れた。


「白雪は何も悪くない」

目の前で彼女と私を隔てる背中はいつもと違ってとても近くて。