思わず福嶋の腕にしがみつきそうになった手を、触れる寸前で止めてその場に浮遊させる。

「白雪、大丈夫か?」
「うん…びっくりしただけ」

その手は福嶋の腕の前でまだ少し震えていたけれど。

しがみつかなかったお陰で、福嶋が持ってくれているロウソクは倒れずに済んで。

「もう少しだ。行くぞ」
「うん」


柔らかな灯りで先程よりも少しだけ力強く、福嶋と私の周りを照らしてくれていた。