私は返事をしてから先生の方へと駆けより、給水所の前で落ち合う。

「白雪さん悪いんだけどお風呂の後、福嶋くんと1201号室に行ってくれる?」
「福嶋と?」

後方で姫は一緒に来てくれなきゃ駄目なの!と続けるリカを、みんなが必死に制止する声が喧騒の中から微かに聞こえてきて。少し意識が拡散してしまう。

「福嶋くんには東雲先生が休憩所で待ってる様に伝えてくれてるから。」

幸い先生にはその良く通る声が指す言葉の意味は伝わらなかったのか、それとも思い出の一つとして黙認してくれているのか。

それに関して咎められることはなく。

じゃあお願いね。先生は学校と変わらない生徒で溢れる廊下を、学校の時よりは少し軽く引き返していった。