普段触れる事のない気候や飛行機での移動による疲労に配慮された日程なのか、一日目は移動と平和学習が大半を占め、夕方には予定通りにホテルの部屋と戻った。

これから夕食までは特に予定は組まれておらず、ホテルの敷地内を探索する者や部屋で過ごす者。其々に時間を過ごす。

同室の早々に気候に順応していた2人は未だ自分と同じで怠さが抜けきらないもう一人を強制的に引きずって探索へ向かい、残る一人は前のベッドの上でごそごそと俯きながら鞄を掻き回している。

特に何か娯楽を持ってきてもおらず、かといって極力ホテル内を出歩くのは避けたい。

結果、窓際に置かれた木目調の椅子に座って寝ようとベッドから腰を上げた時。

「はい」

閑静な部屋に品の良いインターホンが鳴り響いた。