赤らんでいるであろう頬を、手のひらで覆い隠す。
「ふーん?」
「な、なんだよ」
「ふーん??」
「なんだよっ!」
だがいくら隠しても、見透かされてるみたいにニヤニヤと凝視される。
咄嗟に顔を思い切り背けた。
もしかしたら、さっきの様子を見られていたのかもしれない。
年下の少女を見つめていた、らしくない俺を。
「ムキになっちゃって。幸、かーわいっ」
「からかうんじゃねぇよ!」
……やっぱりな。
これは確実に見てた。
碧のこのからかいぶり……絶対見られてた!
まじかよ。恥ずっ。
なんてタイミングで碧も振り返ってんだよ。遥陽や要じゃなく、よりによって碧……。オワタ。
「大丈夫、大丈夫。もう会えねぇから」
「だから、からかうんじゃねぇよ!しかも何気にひどいこと言うし!」
くっそう……っ。
同情を装って、ポンポンと肩を叩かれた。すぐさま手をどかす。
俺の顔は、いっそう火照るばかりだった。