というか、1年の女子がいねぇな。
今日は体育館の点検をする予定のため、体育館で行う部活はほぼ休みになっている。
いつもはボールの弾む音やかけ声などで賑やかな体育館は、しん、と静まり返っている。
俺以外いなかったから、もうここに来てるかと思ってたけど……。
まだ来てねぇのか?
それともサボりか?
サボりだったら許さねぇ。
俺1人でこんな汚いとこ、やりたくねぇよ!
「……とりあえず、始めるか」
始めなければ、何も終わらない。
渋々みぃちゃんからもらったマスクをした。
ホウキを手にして、準備万端。掃除を開始する。
俺って、えらい。
とりあえず蜘蛛の巣を払い、虫を退治した。
それだけで、10分経過。
まだまだしなければならないことが山積みだ。
「あ、あの!」
全く掃除が捗っていない状況の中、扉の方から高い声を投げかけられた。